あなただったら、このワンちゃんに何をしますか?

こんなメールをいただきました。

わりと多くの方が、
似たような体験をされたことが
あるのではないでしょうか?

そこで、あなたにも
わかち合いたいと思い、

メルマガで回答をさせて
いただくことにしました。

まずは、ご相談内容を
ご一読ください。

 

*******

通勤途中にあるお宅のワンちゃんは、
おそらくもうシニアで、
認知症でもあるようなのですが、

少し前までは、段差があるお庭と
駐車場も行き来できていたのに、
最近は冷たいコンクリートの駐車場にある
小屋の近くをぐるぐる回っているのをよく見ます

目も見えていないようで、
ごはんの器を探してはぐるぐるしていました

さっきその光景を見てしまって、
何もできない自分が悲しくて悔しくて
思わずインターホンを押して、
ごはん食べる間だけでもお世話させてもらいたいと
言ってしまいそうでしたが、そのせいで
ワンちゃんが後で辛い目にあってしまうかも、
とか、いろんな妄想ばかり浮かんで、
ただ泣くしかできませんでした

そして帰ってきてしまいました

うちにいるふたりの柴は、
そんな私のそばにしばらく居て
くれたことが余計に悲しかったです

でも、そのワンちゃんは、
愚痴をいうわけでも、
嘆くわけでも、
悲しみも怒りもないようでした

だから私のこの気持ちは奢っていて
このワンちゃんに失礼なのかもしれません

こんな時、りこさんならどうされるのかな
と思って、思わずメールしていました

いまの私に何かできることはあるでしょうか

*******

 

仮に、ご相談者さまをAさんと
させていただきますね。

あなたは、これをお読みになって
どう思われましたか?

あなただったら、
どうされますか?

ぜひ、一緒に考えてください。

 

「日本にもアニマルポリスが
整備されればいいのに!」

こんなことを思われた
かもしれません。

そうしたら、解決される問題も
増えるでしょうね。

もしかしたら、
このケースもそうかもしれません。

けれど、今回はあえて違う視点から
お話をしたいと思います。

 

まず、今のAさんができること。

それは、Aさんの傍らで
寄り添ってくれる柴ちゃんたちに、

「ありがとう」

を伝えることですね。

今すぐにできることは、
これだと思います。

我がコにたっぷりの愛と感謝を伝えて
自分の範疇にあるコたちを
最大限しあわせにすることです。

 

それをしたら、次に、もう少し
視点を変えてみましょう。

何が幸せか・・・

幸せの価値観って、
人それぞれ違います。

お金が潤沢にあること?

仕事で達成感を得ること?

つましくも愛する家族と
一緒に暮らせること?

 

実は、ワンちゃんたちも、
人と同じく、それぞれに大切に
していることがあります。

そして、その大切していることは、
人間が考える幸せと、
まったく次元が違うことも。

 

拙著をお読みくださっていたなら、
もう一度、46ページからの項を
お読みになってください。
http://dear-mum.com/book1/

劣悪な環境からレスキューされた
ワンちゃんの本当の気持ちを
お伝えしています。

誰が見ても、
「これはない!」
と思うような状況でも、

そのワンちゃんにとっては
パラダイスだったのです。

 

34ページからの項には、
飼い主さんが、安楽死を選択した時の
まだ生きているワンちゃんの気持ちを
書かせていただきました。

まだ生きられるのに、
認知症の症状が酷くなって
お世話ができないという理由で
安楽死となったワンちゃん。

わたしのエゴで、こんな質問を
してしまいました。

「りこちゃんが新しいお家を
見つけようか?」

けれど、それは浅はかな提案で
あったことに気づかされました。

飼い主さんとの信頼関係、
強い絆を見せつけられ、
衝撃的な体験でした。

 

この2つの事例をみても、
与えられた環境だけで、
ペットたちの幸せ不幸せを
判断することはできない
ということがわかります。

そのコと飼い主さんの間にしかない
空気があるのです。

それは、決して外部の人間が、
環境や状況だけを見て
判断できるものではありません。

そのコは、そのお家で、何かしらの
お役目を果たしているのであり、
いつも最善なのです。

 

それを前提に置いて、
わたしだったら、どうするか。

何もしない。

それでも、自分の感情が
大きく動くなら、
その感情をコントロールするか、
その感情の源を探求します。

 

そして、また同じようなシーンを
お見掛けしたら、

「お鼻は利くでしょ~?

ほら、がんばれ~~

ゲームだ♪ ゲーム♪」

と楽しい気分に持っていくかも。

 

ワンちゃんは、
視覚や聴覚を失っても、
嗅覚は、衰えつつも
最後まで残るコが多いです。

そうすれば、
リハビリのように
捉えることもできますよね?

もし、元気がなさそうだったら、
元気玉を送るかも。

それでも、「元気になれ!」
という私情は入れません。

だっていつもすでに
最善なのですから。

 

そして、わたしが絶対に
やらないであろうこと。

飼い主さんと全く信頼関係もない中で、
飼い主さんを否定するような
言動をしないことです。

これは、両者のトラブルにもなりますし、
Aさんが懸念されているように、
かえってワンちゃんを辛い目に
遭わせてしまうきっかけにもなりかねません。

その状況を、そのワンちゃんが
嬉しがるとも思えません。

 

もし、直接、飼い主さんと交渉を
したいのであれば、

「ワンちゃん、かわいいですね~
もうお年なんですか~?」

とかなんとか、ワンちゃんの話題で
飼い主さんとお近づきになってから、

徐々に、お話ができるように
することです。

時間はかかりますけれどね。

一番の近道です。

もちろん、そのコを引き取る
くらいの覚悟がなければ、
交渉もできませんよね?

 

こんなので回答に
なっているでしょうか?

『その子はあなたに出会うためにやってきた。』

あなたのコも

Aさんちのコも。

そして、そのワンちゃんも。